ランチェスターの法則を活用してサイトの目的を明快にしよう
マーケティング
刈谷・名古屋でホームページ制作をしているフリーランスのwebデザイナーの稲葉です。今回はランチェスターの法則について記事を書こうと思います。ランチェスターの法則は、経営やマーケティング戦略に活用出来る戦い方として有名ですね。市場には競争相手が必ずいます。その相手から市場のシェアをいかに獲得していくかは、ビジネスにおいて最優先事項の一つです。
ランチェスター戦略とは
ランチェースター戦略は約100年前に発見された法則で、元々軍事目的に利用されていました。現在は、企業同士の戦い方へ応用され、中小企業が市場シェア争いで大企業との戦い方や、取るべき戦略など、マーケティング戦略に活用されています。企業がどの土俵に優位性を作るか、サイトの立ち位置を決めて「市場」の「ポジション」を見つける為に役立つ戦略です。
圧倒的に強い相手でも適切な「ポジション」を取り、効率よくマーケティング戦略を行う事でシェアを獲得する事が出来ます。
スポーツに例えれば、格上の相手でもしっかりと戦略を立て、自分の強みを出していけば勝機が掴める!みたいな感じです。
「理想のゴール」=「クライアントの強み(USP)」と「ユーザーの望み(CVP)」とのギャップがない状態(効率よく市場のシェアを得る事が出来る状態)だと考えられています。
USPとCVP
USP(クライアントの強み)…Unique Selling Propositionの略で、消費者が商品を購入する時に、「この商品を購入すると、こういう利益が手に入ります」など訴えオリジナリティが高くインパクトがある提案など
CVP(ユーザーの望み)…Core Value Propositionの略で、ターゲットが抱えている課題やニーズに対して、訴求できる価値の事など
USP(クライアントの強み)とCVP(ユーザーの望み)にギャップがなければ、それは「差別化」に繋がります。「差別化」を明快にしていく為に戦略を8つに分けて考えてみましょう。
ランチェスター8つの戦略
1.商品戦略…なにを1番にするかを考え、他社にあるものなのか、ないものなのか、需要はあるか、ないものなのかを改めて考える
2.地域戦略…エリアをどこに絞るかを考え、どの地域からシェアを獲得していきたいのか、地元密着なのか、全国なのか、世界なのかエリアを絞り込む
3.客層戦略…対象となる客層をどうしていくか考え、さらに絞り込みをしていく、客層にあわせ、ニーズを感知して戦略を立てていく
4.営業戦略…どんな方法で新規ユーザーを獲得するか、商品戦略、地域戦略、客層戦略を検討して営業に生かしていく
5.顧客維持戦略…既存ユーザーをどう維持していくか、運営・改善を行う手順やルール(Plan Do Check Act)を考えていく
6.財務戦略…資金調達をどうするか、支出の管理をどうするかを考える
7.組織戦略…どんな人材を登用するか、どんな体制をとっていくかを考える
8.時間戦略…どこにどれだけの時間をかけるかを考える
大まかに8つの戦略をあげてみました。自社の強みを知り、ユーザーのニーズを把握していき、「差別化」を図っていきます。
自社を客観視しよう
「差別化」を図る為には自社の強みを明確にしておく必要があります。「差別化」をしていくには自社を知り分析する事も大切になってきます。
その為に3c分析も活用します。
・customer(市場・顧客)…市場ニーズを把握
・competition(競合)…ライバル企業のマーケティング活動を分析
・company(自社)…「強みや弱みは何か」理想と現実のギャップを把握
customer(市場・顧客)・competition(競合)・company(自社)を見直し、「現状」「目標」「強み」「悩み」「コスト」「時間」「問題」様々な情報を分析し、整理してこそ戦略を立てる事が出来ます。自社の事なので主観的になりやすい傾向ありますが、ヒヤリングシートなどを使う事で客観的にそして冷静に知る事ができます。
こちらは後日「ユーザーの目線を把握する為の7つのコンテンツ」にて紹介します。
ゴールが見えてきたら…
「自社の強み」と「ユーザーの望み」が分析出来たら、今度は戦略として活かしていきます。これは「ニーズ」と「ウォンツ」という視点で考え、表す事が出来ます。
情緒的視点のニーズとウォンツ
ニーズ…気持ち的に渇望している状態、何がほしいかという具体的なイメージまではユーザーに把握出来てない状態で、「必要だけど、特にこれといったこだわりはない」と考える、漠然としたレベル(ニーズのレベルを高め、どうニーズを気づかせるかを考えなければいけません)
ウォンツ…はっきりと、ユーザーが「これが欲しい!」と明示できる状態「これが欲しい」という状況を作る事ができれば、商品を販売するきっかけにつながっていきます。(欲しい状況だけでなく、必要とする環境まで持っていかなくてはいけません)
ユーザーはシビアで、商品の理解を「なるほど〜」で留めるくらいでは、情報をシェアしてくれたり、具体的な行動をとりません。なるほど以上の「これは良い!」「是非検討していきたい!」と思わせる必要があります。企業や商品の魅力を発掘して、「ウォンツ」を得る為に自社の分析をしなければなりませんね。
「ニーズ」と「ウォンツ」を理解し、サイトの目的への導線を見つけていきましょう。
ゴールを明快にしましょう
Webサイトのゴールといっても漠然としています。少し考えて欲しいのですが、どうすればサイトの目的を達成できるか、具体的に何をすれば良いかをイメージしてすぐに答える事が出来ますでしょうか?
ゴールを明快にする事で、Webサイトをどのように活用し、運営すれば良いかが見えてきます。ゴールが曖昧だとWebサイトをマーケティングツールとして活用していく事が困難になります。サイトを構築する段階でゴールが曖昧だと何の目的でサイトを制作するか見失うばかりか、最終的に制作しただけで長年放置されてしまうようなサイトになってしまう危険が出てきます。
そうならないように、「クライアントの強み(USP)」と「ユーザーの望み(CVP)」を分析して活用していく事が重要になってきます。
自社の強みや「ポジション」を理解する事は、Webサイトを制作、活用する為には欠かせません。Webサイトを作っただけでは、集客や売り上げに効果が出る事はありません。作るだけで効果が出るWebサイトなんてものは存在しませんよね。
ユーザーのニーズを理解し「差別化」を図る為には、サイトの目的を明快にしていきましょう。自社を「理解」「分析」して目的を持つ事で、初めて戦略を立てる事が出来ます。そこからユーザーの目線を意識してこそ、ゴールへの道筋が見えて来ます。
まとめ
いかがでしたでしょうか
「問題点」や「強み」など改めて整理し、分析することで、適切な立ち位置を把握する事ができます。競争相手から市場のシェアをいかに獲得していく為には迷いのない明快なゴールが見えている事が大切ですし、ゴールが見えている人や企業は様々な面で強いと思います。
今回紹介したランチェスターの法則以外にもまだまだマーケティング方法はありますが、参考にしていただければ幸いです。